こちらの続きです。
たら竹崎温泉
祐徳バス/太良線
肥前浜宿を出発し、祐徳バスの太良線で「たら竹崎温泉」へ向かいました。
所要時間はおよそ40分。平日の昼過ぎだったせいか車内はほとんど貸切で、窓の外には有明海の干潟がゆったりと続きます。

太良線の沿線には、立ち寄りたくなるスポットが点在しています。
日本で唯一の干潟体験(潟スキーなど)ができる道の駅鹿島、竹崎かに・竹崎カキ・太良みかんなど名産が並ぶ道の駅太良、そして海の中に赤い鳥居が三基並ぶ大魚(なみうお)神社。途中下車して、少しずつ旅を広げていくのも楽しそうです。
竹崎かにと日本酒の宿 鶴荘
宿泊したのは「竹崎かにと日本酒の宿 鶴荘」さん。どのお部屋もとても素敵なので、ぜひ【公式サイト】を覗いてみてください。
かにや温泉も魅力ですが、この宿を選んだ一番の理由は“日本酒へのこだわり”。
若旦那の赤木一成さんは、佐賀県で造られる日本酒や焼酎の品質を審査する「佐賀県原産地呼称管理制度」の最年少審査委員に選ばれたほどの日本酒通です。
チェックインを済ませると、ロビーには厳選された日本酒がサーバーで冷やされており、思わずテンションが上がりました。

周辺は静かな港町。山の方からは金木犀の香りが、海の方からは潮の香りがして、疲れた身体がゆるみます。散歩したり、有明海を見渡せる温泉に浸かったり、ウェルカム生ビールをいただいたりしているうちに、あっという間に夕食の時間になりました。

夕食は、ひとり2杯の茹で竹崎かにが付く贅沢なコース。社長の赤木不二夫さんが自ら熟練の技で茹で上げ、ベテランの中居さんたちが丁寧にさばいてくれます。私はかにを食べられませんが、茶碗蒸し、天ぷら、佐賀牛のすき焼きなどバラエティ豊かなご馳走が並びました。
とくに”地元産の食材をふんだんに使った前菜ビュッフェ”が人気とのことで楽しみにしていたのですが、”おつまみビュッフェ”と呼びたくなるほど日本酒がすすみそうなメニューの数々!

夕食は若旦那のふるまい酒からスタートします。この日の乾杯酒は、馬場酒造場の「NOGOMI ARATA」。有明海由来の酵母で醸された、日本酒好きにはたまらない一本です。

ここにも日本酒サーバーが設置され、セルフで90分飲み放題も可能。とはいえ16杯はとても飲みきれないので、「4種飲み比べ」を2回転しました。
佐賀の蔵元のお酒を少しずつ味わいながら、料理との相性を試すのが最高に楽しい!おつまみが変われば、お酒の印象も変わります。新しい発見があったり、自分の好みを再確認したり。鶴荘さんにリピーターが多い理由がよく分かります。
そして鶴荘さんのもうひとつの魅力が、女将・赤木朝子さんのあたたかなおもてなし。朝食には女将手づくりのお漬物が並び、特産の太良みかんも食べ放題。名残惜しさを抱えつつチェックアウトしました。必ずまた訪れたいと、素直に思える宿です。
お宿詳細
住所 佐賀県藤津郡太良町大浦丙928
電話 0954-68-2758
鶴荘さんがある「たら竹崎温泉」は、佐賀県の南端、長崎県との県境にあります。JR長崎本線の肥前大浦駅から送迎(要予約)も可能ですが、道中の景色を楽しみたいなら祐徳バスもおすすめ。
🚌今回のルート【祐徳バス時刻表】
肥前浜駅〜道越環境広場(祐徳バス太良線/約40分・940円)
降りた目の前が、鶴荘さんです。
光武酒造場
観光酒蔵 肥前屋
帰りにお土産を購入するため、もう一度「観光酒蔵 肥前屋」さんに立ち寄りました。こちらでは無料で3種類を各1杯ずつ、さらに1杯200円で6種類の銘柄も試飲できます(※内容は時期により変更の場合あり)。

光武酒造場といえば「手造り純米酒 光武(画像1️⃣)」。光武酒造の代表銘柄で、商品開発のベースともいえる基本のお酒だそうですが、昨日鶴荘さんでいただいたので、本日は「特別本醸造辛口 金波(画像3️⃣)」をチョイス。
【光武酒造場・楽天市場店】手造り純米酒 光武【光武酒造場・楽天市場店】特別本醸造辛口 金波
有料試飲では7️⃣の「山田錦 光武 低アルコール」がとても飲みやすくて気に入りました。しかしどうしても8️⃣の「だいぎんじょう 孤独のグルメ」が気になり、結局ジャケ買いしました。旅先での出会いは、やっぱり楽しい。

きまぐれドラゴン
まそして今回、ぜひ手に入れたかったのが「きまぐれドラゴン」。杜氏・吉田龍一さんが「今いちばん挑戦したい日本酒を醸す」をコンセプトに少数精鋭で年に一度だけ仕込む特別なブランドです。
10作目となる2025年を機に、“貴醸酒”としての展開が始まるとのことで、とても飲んでみたかった一本です。
貴醸酒とは水の代わりに酒を使用して仕込む極甘口の贅沢な日本酒。2025年版には「千代の園酒造」でご紹介した酒米「神力」が使われているそうです。幸運にも店頭で最後の1本を購入することができました!クリスマスに開ける予定です。
👇️こちらのショップではまだ取り扱いがあります(2025年11月6日時点)
光武酒造場
創業は1688年、江戸の頃から続く歴史ある酒蔵です。創業当初は酒造りだけでなく織物の染め事業や地域の庄屋業も行っていたそうですが、鍋島藩からの藩命を受け本格的な清酒製造を開始。昭和30年(1955年)に法人化し、現在は光武博之さんが14代目社長を務めています。
「酒造りは人づくり」を企業理念に掲げ、人材育成に力を注ぎ、たくさんの杜氏を送り出してきました。その歩みから「光武学校」と称されることもあります。
そんな社風を感じられるのが、「純米大吟醸 BOOST」。
蔵人5名のうち毎年1人が主担当となって企画し、全員の力を合わせて醸すユニークな日本酒です。「BOOST」には蔵人のスキルアップと意欲促進の思いが込められており、酒造りの難しさ・楽しさを次世代へ伝えることを目的として始められたそうです。2025年の主担当は中島裕輪さん。美山錦100%を45%まで磨き上げ、穏やかな香りとまろやかな甘みが特徴とのこと。
飲み比べ
試飲の印象を手がかりに、料理はシンプルであっさりとした湯葉しゃぶを用意しました。それと、飯盛酒造の生姜粕漬けを刻んで白和えにしたもの。大豆製品は身体に潤いを与える作用があるため、どちらも秋から冬にかけてよく作るメニューです。

まずは「BOOST」を常温で。口に含むと、想像以上のコクと旨み。やさしい吟醸香もありますが、第一印象としては旨みが勝ります。予想を外れ、湯葉よりも粕漬けのほうが相性抜群。発酵食品と合わせることでより芳醇さが際立ち、後味がいっそう爽やかに感じられます。
少し冷やして飲むとまた印象が変わり、ドライフルーツやはちみつをたらしたチーズとの組み合わせが最高でした。

続いて「金波」を。こちらはスッキリ軽やかで、水のようにスイスイ喉を通ります。光武酒造では多良岳山系の伏流水が仕込み水として使われており、金波の澄んだ味わいが「水源の森百選」にも選ばれた森の清らかな水を思わせます。湯葉や豆乳のやさしい甘みを引き立て、最後まで飲み飽きずに楽しめました。
今回の旅行では鹿島市の美味しい日本酒を堪能することができました。毎年3月には鹿島市とお隣・嬉野市の酒蔵が協力し、日本酒の魅力を存分に体験できるイベント「鹿島酒蔵ツーリズム」が開催されます。来年こそ、ぜひ足を運びたいと思っています。


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