福岡城さくらまつりと花酒MONTH

"Phantom Keep" recreated at the ruins of Fukuoka Castle. The LED-outlined castle keep glows purple against the stone walls and night sky, creating a mystical atmosphere. 日本酒

花酒MONTH(ハナサカマンス)

「住吉酒販」5代目である庄島さんの発案により、昨年から「九州酒蔵びらき」をさらに大きく広げたイベント「花酒MONTH(ハナサカマンス)」が開催されています。「花とお酒で笑祝う、春の風物詩」をテーマに、福岡市内で同時期に開催される複数のイベントを連携させ、街全体で春の福岡を盛り上げるという企画です。運営は花酒MONTH実行委員会が行い、福岡市が後援するという大規模なイベントです。

福岡城さくらまつり

同時期に開催されるイベントの最たるものは、やはり「福岡城さくらまつり」でしょう。

「福岡城さくらまつり」は、福岡市が中心となって実行委員会が構成され、「花酒MONTH」と同じ2024年からスタートしたイベントです。会場となる舞鶴公園はもともと約1,000本の桜を楽しむことができる福岡屈指のお花見スポットですが、さくらまつり期間中は18時からライトアップがはじまり、広場では屋台や特設ステージでのイベント、スタンプラリーなど、様々な催しが行われます。昼は満開の桜の下でピクニックや散策を、夜はライトアップされた幻想的な夜桜を楽しむことができます。

2025年「福岡城さくらまつり」開催概要

期間:2025年3月26日(水)〜4月6日(日)
時間:11:00〜22:00
場所:舞鶴公園(福岡城跡)※地下鉄「赤坂駅」2番出口より徒歩8分

さくらライトアップ
会場:①桜園 ②御鷹屋敷跡 ③多聞櫓
時間:18:00〜22:00(最終入場21:45)
料金:1会場600円、3会場セット1,500円(高校生以下無料)
※当日券は現金かPayPayでのお支払いとなります

①桜園
福岡城の天守台跡下に広がる桜園は、本丸広場が有料ゾーンです。ライトアップされていない無料ゾーンでも桜の鑑賞は可能です。

②御鷹屋敷跡
普段は「牡丹・芍薬園」として親しまれている会場です。①③と少し離れているため、私は入場したことがありません。おとなりはグルメエリアです。

③多聞櫓(たもんやぐら)
「さくら茶屋」のある会場です(後述)。

幻の天守閣

「さくらまつり」目玉となるのが「幻の天守閣」の登場です。「幻の天守閣」は、歴史的に存在が明確でない福岡城の天守閣を現代技術で再現し、LED照明で天守閣の輪郭を表現したものです。時間帯によって赤、青、緑など七色に変化し、ライトアップされた桜と一緒に見ると、それはもう感動します。
※今年は上手く撮れなかったため、昨年の画像を添付します。

"Phantom Keep" recreated at the ruins of Fukuoka Castle. The LED-outlined castle keep glows purple against the stone walls and night sky, creating a mystical atmosphere.
The symbol of the “Sakura Festival,” the “Phantom Keep.” A stunning light display bringing historical romance to the night sky.

さくら茶屋

「福岡城さくらまつり」における「花酒MONTH(ハナサカマンス)」目玉は「さくら茶屋」です。

国の重要文化財にも指定されている「多聞櫓(たもんやぐら。石垣の上に建てられた長屋状の建物)」が特別公開され、そこでソメイヨシノを堪能できる「さくら茶屋」が期間限定でオープンします。
「石村萬盛堂」さんの甘味、「住吉酒販」さんの日本酒、7月中旬にオープン予定の「大濠うなぎ」さんのうなぎ料理を堪能することができると聞き、さっそく初日である26日に行って来ました。

"Sakura Chaya," a limited-time pop-up tea house.
“Sakura Chaya,” a limited-time pop-up. Enjoy Japanese sweets and sake for a special spring night experience.
Grilled eel skewers and colorful "Namafu Dengaku" on a charcoal grill. The rich aroma of the charcoal enhances the mouthwatering appeal.
“Grilled eel skewers,” prepared over charcoal right before your eyes. The smoky aroma and tender texture pair perfectly with sake!

この日の多聞櫓会場の桜は3分咲き。
会場内には、木桶を並べたスタンド席と、赤い毛氈が敷かれたシート席が設けられ、桜を眺めながらゆったりと過ごすことができます。人々の話し声は控えめで、穏やかな空気が流れています。

昨年のイチオシ酒は福岡市高砂にクラフト醸造所を構える「LIBROM」さんの「さくらあまおう」でしたが、今年は「さくらまつり」のためにオリジナルブレンドされた「江戸式日本酒」が登場していました。石川雅之さん著『もやしもん』5巻に登場していた概念でしょうか?酒屋のじいちゃんが、主人公たちに特製ブレンドの日本酒を振る舞った時に登場するエピソードです。

昔の酒屋ってのは 樽から酒を量り売りしてたんだ だから売る酒は酒屋のさじ加減一つさ 単純に金が欲しけりゃドバッと水入れてカサ上げしちまう

そこに今の酒屋とは違うポイントがあるんだよ 仕入れて売るだけじゃなかったって事さ

樽で売ってりゃ 日が経てば酒に木の香りが移って味も変わる そこに新しく仕入れた酒を足す事で絶妙な味を酒屋は自ら考え作り出してたんだよ

出典:石川雅之著『もやしもん』5巻

樽売りしているわけではないのですが、500円という価格に企業努力を感じました。おいしいお酒をリーズナブルにたらふく飲んでほしい、という心意気が伝わってくるような、飲み疲れないスッキリした味です。「酒屋の誇りと技術が、客の信頼を得て町の和を醸してたんだ」「コンビニやディスカウントショップにゃ出来ねぇ事さ」という漫画のセリフが蘇ります。

日本酒は、オーダーすると「WASARA」に注いでくれます。さすが、酒器にもこだわる「住吉酒販」さんですね。

「WASARA」は「和」の美意識や価値観を基に設計された、環境に優しい紙製の器ブランドです。天然由来の繊維(竹やサトウキビの搾りかす)を使用しており、使用後は土に還り、微生物の働きで堆肥になるサステナブルな商品です。商品展開が豊富なので、キャンプやアウトドア、パーティーなどの使い捨て食器としておすすめです。

生暖かい春の夜風に吹かれながら飲む日本酒は、格別のおいしさでした。

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