45歳を超えてからの自分ファースト
2〜3月にかけて出張が続き、ようやく一息つくことが出来ました。忙しい時期は週末にまとめて家事をこなすことになり、なかなかゆっくり休めません。さらに、親の白内障の手術や自分の身体のメンテナンス(大腸カメラや歯科の定期検診)も重なり、今年は楽しみにしていた酒蔵開きにも参加できませんでした。
45歳を越えたあたりから、「無理をしない」ことをモットーに日々を過ごしています。この先、まだまだ長く付き合っていく自分の身体。日々薬膳を実践し、予防治療という名のメンテナンスをきちんと行い、週に1〜2度は筋トレし、多少お金はかかっても家事の手を抜きながら、心地良く暮らして行きたいと思っています。
そんなわけで先週末は、酒蔵開きに行きたい気持ちをグッとこらえ、自宅で身体を休めつつゆっくりと晩酌を楽しみました。せっかくなら春らしいお酒を、と「杜の蔵」の春限定純米酒と、以前飲んで美味しかった純米吟醸酒を購入しました。

「杜の蔵」
「杜の蔵(もりのくら)」は福岡県久留米市三潴(みづま)町に位置する、 九州初の全量純米酒蔵です。地元産の契約栽培米「夢一献」や「山田錦」、そして蔵の地下水を使用し、地域に根ざした酒造りを大切にしています。
杜氏の仕事は高度な技術と経験を必要とするため後継者の育成が難しいとされていますが、杜の蔵では全国的にもめずらしく、親子4代にわたり三潴杜氏の技術を継承し続けています。
最近は「感覚から数値へ」と酒造りのスタイルも変化しており、杜氏ひとりの経験と勘に頼る時代ではなくなってきています。こうした時代の流れに合わせて、杜の蔵では製造部長と4代目杜氏が中心となり、チーム全員で協力しながら酒造りに取り組んでいます。製造部が酒質向上のために研究を重ね、それを杜氏が実践し、さらに結果を検証する…という理想的なPDCAサイクルが行われているそうです。この姿勢は自分の調理の仕事にも通じる部分があり、とても刺激を受けました。
「杜の蔵」 春の純米酒/純米吟醸 翠水
春のお酒には、春の食材がよく合います。今回は、ふきのとうの天ぷらと鯛の塩昆布唐揚げ、カンパチ大根、そして天ぷらの残りのふきのとうで作った蕗味噌を用意しました。

揚げ物に合わせるため、「春の純米酒」は冷たく冷やしておきました。開封した瞬間に広がる、青りんごのような爽やかな香り。この酒蔵のお酒には、どれも共通して独特の苦味を感じられるのですが、「春の純米酒」もスッキリした喉ごしとともに、ほんのりとした苦味がありました。今風の可愛らしいラベルに反して、どこかクラシックな味わいも漂います。
ふきのとうのほろ苦さ×日本酒のほのかな苦味は、晩酌の序盤には最高なのですが、飲み進めるうちに口が苦味に慣れてきます。その頃合いでお燗に切り替えてみました。お燗にすると、やわらかな香りと米の旨みがふわりと広がります。日本酒は温度による味の変化も楽しみのひとつですね。
「翠水(すいすい)」は香りや甘味が控えめな分、独特の苦味がより際立ちます。キリッと冷やして飲むのも良いのですが、「春の純米酒」のお燗があまりに美味しかったので、今回は最初からお燗にしました。鯛の甘味や煮魚の旨味、蕗味噌のコクによく合います。じんわりと心解ける晩酌になりました。
今回は「杜の蔵」をいただきましたが、もうひとつの代表銘柄「独楽蔵(こまぐら)」もおすすめです。こちらは熟成酒で、冷酒からお燗まで幅広く楽しめる、懐の深い一本です。

「杜の蔵 春の純米酒」
720円(税込) 300ml
「杜の蔵 純米吟醸 翠水(すいすい)」
700円(税込) 300ml
杜の離れ
三潴の酒蔵では2020年に「杜の離れ」がオープンし、直売や有料試飲のほか、甘酒やオリジナルスイーツの販売も行われているそうです。西鉄大牟田線「三瀦駅」から徒歩約3分とアクセスも良く、ふらりと立ち寄れるのもうれしいポイント。近いうちにぜひ訪れてみたいと思っています。
店舗情報
住所 福岡県久留米市三潴町玉満2773(西鉄大牟田線「三瀦駅」から徒歩約3分)
電話 070-4351-6939
定休日 日曜・祝日・年末年始・GW・お盆
営業時間 12:00〜18:00(最終入店17:00)
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