このブログでは、季節に合わせた薬膳食材をご紹介しています。
2025年2月3日(立春)〜3月20日(春分)の期間を『早春の薬膳』としています。
菜の花について
菜の花とは?
菜の花は、アブラナ科アブラナ属の花の総称です。白菜やチンゲン菜にも似たような花が咲くけれど、私たちが食用の「菜の花」として認識しているのはアブラナ科アブラナ属の「アブラナ(和種なばな)」。かき菜やアスパラ菜もこの一種です。
「セイヨウアブラナ」も食べられるけど、こちらは菜種油や肥料の原料になることが多いみたいですね。のらぼう菜はこの一種です。
菜の花の旬(福岡)
福岡では12月頃から出回っているけれど、高くてとても手が出ません。お安くなるのは3月頃。
花が咲く直前の植物には、花を咲かせるためのエネルギーがたっぷり蓄えられています。植物にとって、開花はかなりのエネルギーを消耗する行為なのでしょうね。
本日も1束238円と少しお高めだったのですが、体力仕事で疲れていたこともあり、エネルギーをいただきたくて買ってきました。
菜の花の保存方法
包まれていた菜の花を水に放つと「ああ窮屈だった!」と言わんばかりにボウルいっぱいに広がります。こんなに包まれてたの?と驚くくらい広がりますが、青菜って茹でるとかなりちっぽけな量になりますよね。
そのまま冷凍、茹でて冷凍も可能ですが、せっかくの菜の花です。旬を楽しむ娯楽料理として、その日のうちに食べ切りましょう。どうしても今日中に食べられない!というときは、水に放った後でコップに活けます。見た目がかわいいので台所に飾ると癒やされますが、すぐに開花してしまうので注意が必要。開花すると茎が固くなり風味が落ちます。
本日のレシピ:菜の花の酢味噌和え

① 菜の花を花と茎に分け、加熱後の食感をそろえるため、太い茎はななめに細切りします。
細切りせずとも先に茎から茹でればよいのですが、家人が太い茎を嫌がるため、我が家では形を合わせてから茹でるようにしています。
② 熱湯に塩をひとつまみ入れ、菜の花を一気に入れます。
③ 30秒でザルにあげ、そのまま冷まします。アクが少ないため、水にはさらしません。茹で過ぎるとクチャッとした食感となりおいしさが半減しますので、足りないかな?というくらいでザルにあげるのがポイントです。
④ ぎゅっと絞り、皿に盛り付け、酢味噌をかけます。
酢味噌は福岡で創業155年、『藤商店』さんの「からし酢みそ」がおすすめです。
菅井きんさん出演のCMの影響で、福岡で「きんが選んだ?」と問いかけると一定以上の年齢の方は反射的に「藤商店のからし酢みそ!」と応えてしまいます(現在は放送されていません)。
いろいろな酢味噌を試しましたが、結局これに帰ってきます。九州人が大好きな、甘味が強めの酢味噌です。そして酢味噌は鮮度が命!ですが、こちらの商品は1回使い切りの小袋が5袋パックされており、使い勝手が良くとても便利です。
Amazonで購入できるリンクを貼っておきますので、ぜひ一度お試しください!
楽天やYahoo!ショッピングでも購入できます。
菜の花の薬膳効能

菜の花はおできや吹き出物などの炎症を抑え、肌を美しくする効果があると言われています。
菜の花は「春の苦味」の代表格で、デトックスパワーがとても強いのですが、ふきのとうやたけのこのようなドロドロ汚れを排泄するイメージのデトックスではなく、血を浄化するタイプのデトックスです。全身にきれいな血をめぐらせます。
血のめぐりが滞り汚れが溜まった状態を、中医学では『瘀血』と言います。
冷えると血のめぐりが悪くなるため、寒い時期には瘀血の症状が出やすくなります。にきびやおでき、吹き出物などもその一例ですが、菜の花はそうした肌をきれいにする効果があると言われています。栄養学的に見ても、ビタミンA・Cなどお肌に良い要素が豊富です。
今日はしらすと組み合わせましたが、ホタルイカやアサリとも合います。旬の海の幸と合わせることを「出会いもの」と言うそうですが、なんだかいい響きですね。貝やイカには血を補う作用や肝機能を高める作用があるので、相乗効果で美肌を作ります。
おすすめの薬膳書籍
薬膳を実践していると、よくぶつかるのが「書籍によって効能の記載が違う」という問題です。なぜそんなことが起こるのでしょうか?
それは、薬膳が人間の経験の積み重ねによって発展してきた学問だからです。最初にまとめられた『神農本草経』をはじめ、今日に至るまでのおよそ3,000年(説によっては4,000年)もの間、たくさんの人が薬膳を実践し、自分の身体で効果を感じ取り、解釈し、時には新たな薬膳書を書き記してきました。いわば、今私たちが目にする書籍たちは、中国3,000年の実戦データの集大成と言えます。
そのため、ある本では「寒性」とされている食材が、別の本で「温性」と書かれていたり、「平性」とされているものが実は熱を冷ます作用を持っていたりすることもあります。そんなときは、古代から伝わる複数の書籍を参照することで、その違いの根拠が見えてきます。
こちらの書籍『先人に学ぶ 食品群別・効能別 どちらからも引ける 性味表大事典 改訂増補版』は、まさにそんな場面で頼れる一冊。
この本は、古典を含む複数の薬膳所に記載されている効能を一覧化しており、タイトルのとおり「食品群(穀類、野菜類など)」や「食材名」、「効能(解表、通便など)」から検索できる辞典です。収録されている食材は、なんと1,184種類!迷った時にすぐ調べることができ、薬膳を実践するなら手元に置いておきたい一冊です。
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