くるみ

A title image featuring Walnut from my “ Winter Dietary Therapy” series. 冬の薬膳

このブログでは、季節に応じた薬膳食材をご紹介しています。

2025年12月22日(冬至)〜2月4日(立春)の期間を『冬の薬膳』としてご案内しています。

くるみの雑学

くるみの種類と原産地

くるみは、人類が最も古くから食べてきた木の実のひとつです。紀元前7000年ごろにはすでに食用にされていたとされ、その歴史は農耕の始まりとも重なります。

原産地は古代ペルシャ(現在のイラン周辺)とされており、ここを起点として大きく二つの系統に分かれ、ユーラシア大陸を横断するように広がっていきました。

そのひとつはペルシャグルミ(西洋胡桃)

ヨーロッパを経てアメリカへ渡り、明治時代以降にアメリカから日本へ伝えられた品種です。比較的殻が薄くて割りやすく、可食部の割合が高いのが特徴。現在流通している食用くるみの主流となっています。

もうひとつは 手打ち胡桃(テウチグルミ/菓子胡桃) 

中国原産とする説のほか、ペルシャグルミが東方へ広がる過程で生まれた変種が、シルクロードを通じて中国に伝わったとする見方もあります。日本には弥生時代に交易品としてもたらされたものの、本格的な栽培が始まったのは江戸時代以降とする考え方が主流となっています。

日本の在来種

しかし、日本にはこれらの外来系統とは別に、はるか昔から自生していたくるみがありました。それが オニグルミ です。縄文時代の遺跡からは大量の殻が見つかっており、人々が水に浸して保存しながら、厳しい冬を越えるための重要な脂肪源・タンパク源として活用していたことがうかがえます。

鬼胡桃

日本在来種。殻が非常に硬く、可食部は少量ですが、濃厚な味わいが特徴です。現在も細々と栽培され、高級ナッツとして扱われています。

姫胡桃

鬼胡桃の変種ですが、こちらは殻の表面がなめらか。平たく先端が尖った形はハート型にも例えられ、中央の縫合線から比較的簡単に割れます。

A photo of Japanese native walnuts (Onigurumi) alongside traditional regional dishes such as walnut mochi, walnut miso, and walnut-based side dishes
Although Japanese native walnuts (Onigurumi) are hard to crack, they have long been used in regional dishes across Japan. Walnut mochi, walnut miso, and walnut-based dressings reflect a culinary tradition deeply rooted in everyday life.

日本のくるみ栽培

くるみは初夏から夏にかけて、テニスボールほどの大きさの緑色の実をつけます。秋が深まるとその緑の果皮が自然に割れ、中から硬い殻に包まれたくるみが顔をのぞかせます。昔はこの外皮を取り除くために収穫した実を土に埋め、真っ黒になるまで腐らせてから洗い流していたそうです。現在では、ゴム手袋を使って手作業で一気に剥く方法も一般的になりました。

外皮を除いた後しっかりと乾燥させることで、私たちがよく知るくるみの姿になります。殻付きのくるみは保存性が高く、風通しの良い場所であれば数年もちます。農作物の収穫が限られていた時代、くるみは季節を越えて栄養をつなぐ貴重な保存食として重宝されてきました。

A photo showing the process of walnut cultivation in Japan, from early summer fruiting to natural splitting, falling, and drying
In Japan, walnuts develop in early summer and naturally split and fall in autumn. After harvest, they are thoroughly sun-dried and stored in their shells.

おすすめの国産くるみ

日本の代表的なくるみ栽培品種

日本の在来種である鬼胡桃は殻が非常に硬いので、割るだけでもかなりの労力を必要とします。さらに、少しでもかけらが混ざっていると食べた時に歯が欠けてしまう可能性もあるため、取り除くのも一苦労。高級品扱いされるのも納得です。

そこで現在、鬼胡桃に代わって国産くるみの中核的な存在として広く栽培されているのが「信濃(しなの)くるみ」。主に東北地方や長野県・新潟県などの冷涼な地域で育てられており、手で割れるほど殻が薄いのが大きな特徴です。

信濃くるみは、くるみ栽培が盛んな長野県東御市(とうみし)で誕生しました。江戸時代に伝来した手打ち胡桃と、明治時代にアメリカから導入されたペルシャグルミを交配させることで生まれた品種で、「大粒で殻が薄く、収穫量も多い」という東西それぞれの長所を併せ持っています。扱いやすさと品質の良さから、今では国産くるみを支える存在となっています。

【ふるさと納税】長野県・東御市 信濃くるみ

長野県東御市のふるさと納税では、殻付きの信濃くるみを返礼品として選ぶことができます。殻がむかれた「むきくるみ」も便利ですが、せっかくならば味も保存性も優れた殻付きを選びたいところ。昨年は悩みに悩んで見送ってしまっただけに、今年こそは…という気持ちが強いです。

👇️気になる方は、ぜひこちらのリンクからチェックしてみてください

【楽天ふるさと納税】長野県・東御市 殻付き信濃くるみ

……ところが実は、殻付きくるみ以上に心を揺さぶられている返礼品があるんです。それが東御市の老舗、【御菓子処花岡】さんの「胡桃の醍醐味チーズケーキ」。

大正元年(1912年)創業、110年以上・4代にわたり地元で愛されてきた菓子店の一番人気商品です。しっとり濃厚なハードタイプのチーズケーキに、くるみをたっぷり使ったさっくり食感のクッキーを合わせた、食べやすい小ぶりなサイズのミニチーズケーキ。くるみの香ばしさと濃厚なチーズの相性を考えると、想像するだけで美味しそう…。2026年はまだ始まったばかりですし、一年かけて悩みぬこうと思います。

👇️気になる方は、ぜひこちらのリンクからチェックしてみてください

【楽天ふるさと納税】長野県・東御市 御菓子処花岡 胡桃の醍醐味チーズケーキ

※冷凍でのお届けになります

👇️ふるさと納税には、こちらのサイトもおすすめです

おすすめの輸入くるみ

【ナッツとドライフルーツの専門店・小島屋】カリフォルニア産生くるみ

日常的に食べるくるみは、「ナッツとドライフルーツの専門店・小島屋」さんの生くるみをリピートしています。1956年創業の老舗で、上野アメ横に実店舗があり、現在は三代目の小島靖久さんが店主(代表)を務めています。

卸問屋という強みを活かし、商品の回転を非常に速くしているため、販売されているナッツはどれも新鮮な味わい。「同じナッツでも、産地や製法でここまで味が違うのか!」という驚きを、全国の食卓へ届けたいという思いが伝わってきます。

こちらで取り扱うくるみは、高品質な輸出向けくるみで知られるアメリカのカリフォルニア州産。楽天市場の販売ページでは、店主自らがカリフォルニアの現地へ赴き、実際にくるみ農園を訪問している様子が詳しく紹介されています。

生?ロースト?

くるみには生とローストがありますが、私はいつも生を選んでいます。「しっとりやわらかい食感の生くるみ」「カリッと香ばしく、料理やお菓子に使いやすいロースト」といったように味や用途で選ぶのもおすすめですが、実は栄養面にも違いがあります。

生くるみは加熱していないため、不飽和脂肪酸の一種であるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)やビタミンE、B群などの熱に弱い栄養素を多く保っています。一方ローストは、ポリフェノール量が増えて抗酸化作用が高まり、消化吸収がよくなる反面、一部の脂質が酸化する可能性もあります。

生活習慣病予防の観点から、私は血液サラサラ効果を期待して、不飽和脂肪酸が豊富な生くるみを選んでいます。小島屋さんのくるみは輸入後の保管も低温倉庫で管理されており、品質面でも安心。購入後は自宅でも冷蔵保存がおすすめです。

👇️Amazonでのご購入はこちらから


【Amazon】小島屋 カリフォルニア産無添加くるみ 1kg

👇️楽天市場でのご購入はこちらから

【楽天市場】小島屋 カリフォルニア産無添加くるみ 1kg

くるみのポリフェノールは薄皮(渋皮)の部分に多く含まれています。やや苦味を感じることもありますが、皮ごと食べるのが一番効果的です。

【おすすめレシピ】くるみごはん

五十嵐大介さん著『リトル・フォレスト 1巻』に登場する「くるみごはん」。主人公・いち子が山で拾ったくるみで作る、稲刈り中のお弁当として描かれています。美味しそうに頬張る姿がとても印象的な一品。私もこのくるみごはんが大好きで、自己流にアレンジしながら繰り返し作っています。

An illustrated recipe image showing the steps of chopping walnuts, cooking them with rice, and the finished walnut rice
A simple walnut rice made by cooking chopped walnuts together with rice. The walnuts add a rich, nutty flavor and make the dish satisfying even in small portions.

※正しいレシピは、ぜひ原作漫画をご覧ください。

① くるみ80gをフードプロセッサーにかけ、油がにじむくらいまでしっかり撹拌します。

② 洗って浸漬した米2合に、炊飯器の2合の目盛りまで水を入れ、そこから大さじ3杯分の水を抜きます。

③ ②にくるみ、酒大さじ1、「名水のたましずく」大さじ3を加えてよく混ぜ、普通に炊飯します。

④ 炊きあがったらしゃもじでさっくり混ぜ、蓋をして10分ほど蒸らします。

くるみの薬膳効能

An illustration summarizing the medicinal properties of “ Winter Dietary Therapy: Walnut” showing a walnut image along with its nature, flavor, meridian tropism, and functions.
An illustration summarizing the herbal properties of walnut. Part of the winter therapy series, it clearly shows the nature, flavor, meridians, and main functions at a glance.

くるみには「『腎陰』と『腎陽』の両方を補う」作用があるとされます。

中医学で詳しく解説すると…
An illustrated diagram showing Jinsei as a water source, explaining the roles of Kidney Yin and Kidney Yang and the circulation of body fluids
In traditional Chinese medicine, Jinsei is seen as the body’s water source. Kidney Yin provides moisture, while Kidney Yang warms and circulates it, supporting overall bodily function.

『腎陰』は身体の水源である『腎精』から生じ、『肺』に送られて全身を潤す仕組みとなっています。この水源を温めるのが『腎陽』の役割です。温めることによって「めぐり(運行・昇降)」が可能となり『肺』に送ることができます。

どのくらい温めるのかというと、「体温」くらい。西洋医学では、よく36.5〜37度くらいが理想だといわれていますね。温度が低いと水のめぐりが悪くなって停滞し、『水湿』を生じる原因となってしまいます。

腎精』には父母から受け継いだ「先天の精」と、日々の食事から得られる「後天の精」があり、人は受け継いだ先天の精を少しずつ使いながら生きていきます。先天の精は後天の精によって養われつつ、長い時間をかけて消耗し、やがて無くなると死が訪れます。

つまり「腎精の消耗=老化」ということ。『腎陰』が消耗すると全身の潤いがなくなり、皮膚の艶が失われてシワができ、髪がパサパサになって抜けやすくなります。『腎陽』が消耗すると温める機能が失われて冷えやすくなり、内臓や肉体の機能が衰え、疲労や倦怠を感じやすくなります。

くるみは『腎精』そのものを補う食材ではありませんが、『腎陰・腎陽』を補い、そのバランスを整えることで『精』の消耗をゆるやかにし、結果的に『腎精』の働きを守る食材と位置づけられています。

生薬では「胡桃肉(ことうにく)」と呼ばれ「助陽薬(じょようやく)」に分類されます。「肉桂(にっけい=シナモン)」や「乾姜(かんきょう=乾燥生姜)」のようにガツンと熱を生むタイプではなく、『腎陽』の働きをそっと後押しするイメージ。

古代中国の人々は、日常的にくるみを食べている人が”いきいきした若々しい印象”であるのを見て、「腎が満ちた状態に近づく」と捉えたのかもしれません。

ぬん
ぬん

またくるみには『健脳(けんのう=脳の働きをよくする)作用』もあるとされますが、これに関しては、「鶏レバー」の記事でご紹介した『同物同治(どうぶつどうち)』の考え方も関連しています。

栄養面では、不飽和脂肪酸の一種であるオメガ3脂肪酸(α-リノレン酸)が豊富。血液サラサラ効果や脳の健康維持、集中力や記憶力のサポートにもつながるといわれています。

また、くるみにはセロトニン(幸せホルモン)の材料となるトリプトファンも含まれています。自律神経を整えたいときや、睡眠の質を高めたいときにつまむのもおすすめ。私の祖母が入居していた施設では、おやつによく「くるみミルク」が出されていました。寝付きをよくする効果があるそうです。

ただしくるみは脂質が多い分、食べ過ぎるとカロリーオーバーになりがちです。1日約25g〜30g程度を目安にし、胃腸が疲れているときやお腹の調子が悪いときには控えるのが安心です。

おすすめの薬膳書籍

薬膳の効能は、書籍によって記載内容が異なることがよくあります。これは薬膳が、数千年にわたる人々の実践と経験の積み重ねで発展してきた学問だからこそ。そんなとき頼りになるのが『先人に学ぶ 食品群別・効能別 どちらからも引ける 性味表大事典 改訂増補版』。
複数の古典書をもとに、1184種類の食材が掲載されており、薬膳を実践するならぜひ手元に置いておきたい一冊です。


先人に学ぶ 食品群別・効能別 どちらからも引ける 性味表大事典 改訂増補版

コメント

タイトルとURLをコピーしました