薬膳は、日常の養生
早いもので、ブログを書き始めて一年が経ちました。
このブログではこれまで、一年をいくつかの季節に区切り、その時期に応じた薬膳食材をご紹介してきました。
薬膳は本来、個人の体質や体調などに合わせたとてもパーソナルな食事です。服でいうと、オーダーメイドの一点もの。まずは中医学を通して自分自身の体質や体調を知るところから始まります。
そのため自分以外の誰かに作る場合、本来であれば『四診(ししん)』や『八網弁証(はっこうべんしょう)』といった『診断学』を通して、最初に相手の状態を把握する必要があります。舌や脈を診たり、カウンセリングを行ったりと、それなりの時間がかかるものです。

飲食店などの商業ベースでは「とりあえず枸杞や棗を入れて、漢方っぽい味付けにする」スタイルが手っ取り早く、受けも良いのが現状です。そのため「習慣的に薬膳料理を食べているのに体調に変化がない(または悪化した)」という声を聞くことも少なくありません。
日本の薬膳は「養生」というよりも、フランス料理や韓国料理といった「料理ジャンルのひとつ」として受け取られている側面もあるように感じます。

自分の身体の声を聞くことができるのは自分だけ。薬膳を日常に取り入れるなら、実践しながら自分の身体で体感していくことが大切だと考えています。
薬膳を日常に取り入れるなら
私のおすすめは「季節の薬膳」からスタートすること。
「薬膳に興味はあるけど、本格的に中医学を学ぶほどではない」「家族ひとりひとりに合わせると食事の準備が大変」という方でも、「普段の食事に、季節に応じた食材を取り入れるだけ」と考えれば、無理なく続けられるのではないでしょうか。
夏になればTシャツを着るし、冬になればコートを着る。
そんな感覚で、ゆるっと自然との調和を目指していく。
今感じている不調が、来年には少し楽になっていたらラッキー、くらいの感覚で。
変化が穏やかなぶん、方向性が違った時にも大事に至りにくい、というのもメリットだと思っています(笑)。

これまでは季節区分ごとに食材をご紹介してきましたが、「立春の期間は、立春の食材だけを食べる」というわけではありません。実際には立春を迎えても寒さが続く日が多く、私自身も今は冬の食材を中心に献立を組み立てています。ただし立春の食材も”意識しながら”。
冬の寒さに対応する食材で身体を温めつつ、春に備えて立春の食材(デトックスや発散の作用を持つもの)も取り入れておく。そうすることで、春に芽吹きやすいアレルギーや偏頭痛といった症状が起こりにくくなり、健やかに過ごすことができています。
今年はこれまでのような季節区分にこだわらず、「今の時期におすすめの(または旬の)食材」をご紹介していく予定です。ただし、私は福岡に暮らして約50年。どうしても福岡を中心とした季節感のご紹介になりますが、その点はご容赦ください(笑)。
ご紹介した食材が、みなさまの健康維持に少しでもお役に立てればうれしいです。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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