このブログでは、季節に応じた薬膳食材をご紹介しています。
2026年3月20日(春分)〜5月5日(立夏)の期間を『春の薬膳』として、早春・春・初夏におすすめの食材をご案内しています。詳しくは、「季節ごとの養生」をご参照ください。
金柑の旬
金柑の旬は11月下旬頃から4月上旬頃にかけて。
私の住む福岡市内では、ちょうど3月下旬の今頃の時期に、近所の庭木の金柑が鈴なりに実をつけています。

金柑の原産地は中国南部から長江流域とされています。温暖な気候を好む果樹で、国内では生産量の大部分を九州が占めています。
12月頃から出回るのは主に温室栽培されたもの。続いて1〜2月頃にハウス栽培のものが出回り、2月下旬頃になると露地栽培の金柑店頭に並び始めます。
宮崎県のブランド金柑「たまたま」
金柑は十分な日照があると、実が大きく甘く育ちます。九州のなかでも、「日向(ひゅうが=ひなた)」の名を持つ宮崎県はその条件を満たすため、全国でも有数の産地となっています。
とくに有名なのが、東国原知事の時代(2007年〜2011年)に全国的に知名度を高めたブランド金柑「たまたま」。例年1月中旬頃に初競りや販売解禁が行われ、 3月頃まで出回ります。
樹上でじっくり完熟させる「たまたま」は、甘みが強く、酸味や苦味が少ないのが特徴。かつては「砂糖で煮て食べるもの」という印象が強かった金柑を、「生で皮ごと楽しめる果物」へと変えた存在ともいえるでしょう。
福岡市内でも見かけることはありますが、先日宮崎に出張した際、【風月堂】のチーズ饅頭と一緒に購入してきました。

【まどかファーム】たまたま1kg ※2026年3月時点の情報です
福岡県大野城市に実店舗を構える【まどかファーム】さんは、九州産の野菜や果物を中心に取り扱う農産物販売店です。「その時期にいちばんおいしいものを」というコンセプトのもと、贈答品にも使える品質のものが厳選されています。品質保証も手厚く、商品に傷みや異物混入があった場合には交換または返金で対応されています(※到着日に商品画像の送付が必要)。
楽天市場店では3,980円以上で送料無料(離島・一部地域を除く)なのもうれしいポイントです。
【はちやフルーツ】たまたま3kg ※2026年3月時点の情報です
自宅用として気軽に楽しみたい方には【はちやフルーツ】さんの「風のいたずら」シリーズもおすすめです。太陽の光をしっかり浴びて育つ一方で、雨や風の影響を受けやすい外側の果実を「風のいたずら」として、お手頃な価格で販売されています。見た目に多少の個性はありますが、そのぶん日常使いしやすく、たっぷり楽しめるのが魅力です。
おまけ【風月堂】元祖チーズ饅頭
宮崎銘菓「チーズ饅頭」には、実はいろいろなタイプがあります。クッキー生地でサクサクしたものが定番といわれていますが、しっとり系やふわふわ系など食感もさまざま。中に使われるチーズもクリームチーズからプロセスチーズまで幅広く、県民ごとに「お気に入りの店」が分かれるお菓子です。
私のイチオシは【風月堂】さんの元祖チーズ饅頭。チーズ饅頭の誕生には諸説ありますが、「宮崎県小林市の菓子職人が考案した」という説が広く知られており、【風月堂】さんではその味が今も守り続けられています。生地は薄くしっとりしていて、中のクリームチーズはギュッと詰まったしっかり食感。宮崎県小林市のふるさと納税返礼品にも選ばれています。
ふるさと納税にはこちらのサイトもおすすめです

金柑の活用方法とおすすめのはちみつ漬け
3月から4月にかけて、福岡では花粉や黄砂が飛び交い、空気も乾燥しやすくなります。風邪やインフルエンザが気になる季節ですが、以前、テレビ番組の「主治医が見つかる診療所」で、金柑はそんな時期に取り入れたい食材として紹介されていました。
柑橘の皮に多く含まれるβ-クリプトキサンチンは、免疫に関わるナチュラルキラー細胞(ウイルスを攻撃する細胞)の働きを高めるという研究が報告されているそうです。
また、紫外線が強くなり、日差しや乾燥で肌に負担がかかりやすくなる季節でもありますが、金柑は美容にもうれしい成分を含んでいます。
こうした成分を効率よく摂り入れるには、生で皮ごと食べるのがおすすめ。私はこの時期、朝食に金柑を2〜3個食べることを習慣にしています。
一方で、甘露煮やシロップ漬けにすると加熱に弱い成分はやや減りますが、喉の違和感や咳が気になるときにおすすめです。「潤肺止咳」の効能があるはちみつを加えることで、乾燥による乾いた咳やイガイガした喉をやわらげる組み合わせとなります。私は柚子やレモン汁で酸味をつけるのが好きです。
① 金柑のヘタを取り半分にカット。種を取り、さらにスライスします。
② 全体の重量をはかり、20%の砂糖・はちみつ・レモン汁を用意します(例:金柑300gに対して各60g)。
③すべて 鍋に入れ、やわらかくなるまで15分ほど煮ます。
【上沖産業】きんかん蜂蜜漬け
自分で作るのが難しい場合は、市販のものを取り入れるのもひとつの方法です。【上沖産業】さんは、宮崎県北諸郡にある漬物製造販売の企業で、地元農家と協力しながら商品づくりを行っています。
らっきょう漬けで知られていますが、「きんかん蜂蜜漬け」も人気の一品です。甘さ控えめでさっぱりとしたシロップに仕上げられており、金柑そのものの風味を楽しめます。そのまま食べても美味しいのですが、私は水切りヨーグルトに合わせるのが好きです。
金柑の薬膳効能

金柑には「気血をめぐらせ、詰まりを解消する」作用があるとされています。
金柑には気のめぐりを整えながら痰を除く作用があるとされ、主に消化器や呼吸器の症状に効果があると考えられています。
消化器へのアプローチ
脾胃の気が滞ると、食欲不振や消化不良、胃のつかえ感、腹部の張り、げっぷといった不調が現れます。 金柑は気をめぐらせることでこうした『気滞』による症状をやわらげ、胃腸の働きを整えて消化を促す作用があるとされます。特に、ストレスなどで胃腸が弱っているときにおすすめです。

似た効能を持つ食材に「陳皮」がありますが、こちらは乾燥・熟成させることでより作用が強まるとされています。
呼吸器へのアプローチ
気をめぐらせる働きは『肝』の『疏泄』作用によるものですが、気の通り道を整えるのは『肺』の『粛降』作用によるものです。どちらか一方でもバランスを崩すと、気のめぐりが滞りやすくなります。
そこに痰湿が加わると、通り道に“詰まり”が生じ、咳や喉の違和感、つかえ感といった症状が現れます。金柑は気のめぐりを良くして痰を取り除くことで、このような“詰まり”を解消する働きがあるとされています。

イメージとしては水道管のようなもの。汚れがたまった水道管では水の流れが悪くなりますが、常に水がザーザー流れていれば詰まりにくくなります。
また、金柑の効能は『燥湿化痰』と表現されることもあります。「燥湿」とは、温熱性や辛味を持つ食材に多く見られる作用で、余分な湿を乾かして散らす働きを指します。特に湿を嫌う「脾」の働きを助けるために用いられます。
一方で、肺は潤いを必要とする臓であるため、乾かすアプローチは適さない場合もあります。
金柑は、こうした「燥湿」の性質も持ちながら、気のめぐりを整えて痰を取り除く「理気化痰」の作用をあわせ持ち、脾と肺の両方に働きかける食材といえます。

金柑はフレッシュな果実として日常的に取り入れやすく、「陳皮」に比べ穏やかに身体を整えてくれる食材です。軽い不調のケアや、季節の変わり目の養生にぴったりの食材と言えるでしょう。
栄養成分の観点から
金柑には、ポリフェノールの一種であるヘスペリジン(ビタミンPとも呼ばれます)や、カロテノイドの仲間であるβ-クリプトキサンチン、ビタミンC・Eなどが含まれています。
・風邪予防や喉のケアに
ヘスペリジンやビタミンCは粘膜の健康を保つ働きがあり、季節の変わり目の体調管理に役立ちます。またβ-クリプトキサンチンはナチュラルキラー細胞(ウイルスを攻撃する細胞)の働きを高めるという研究が報告されています。
・血流改善に
ヘスペリジンは毛細血管を強くするといわれており、血流の改善や冷えの緩和が期待されます。
・美容(美肌・老化予防)に
ビタミンC・Eの抗酸化作用により、エイジングケアに良いとされます。

これらの成分は特に皮に多く含まれているため、生で皮ごと食べるのがおすすめです。ただし皮には食物繊維も豊富に含まれているため、胃腸の弱い方は少量をよく噛んでお試しください。
おすすめの薬膳書籍
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